UnixからLinuxへの歴史
UNIX は、通信会社AT&T のベル研究所で誕生しました。当時ベル研究所では、先行研究としてMULTICS というOSが開発されていました。 MULTICSはあまりにも多機能・高機能を目指していたため、研究開発が頓挫しました。
配布されたUNIXは、各自自由に改造が施されるようになってきました。 すると、さまざまな亜種のUNIXが作成され、まとまりがなくなってきました。 そこでAT&Tが正式にライセンス契約を始め、UNIX を管理するようになりました。それ以降、AT&Tと契約を結んだ組織のみが、自社の出したOSをUNIX と宣言できるようになりました。
UNIXの多くは、高いライセンス使用料のもと、企業や大学等で利用することが続いていました。自宅で、 しかもパソコンで利用できることが、多くのユーザの間で夢でした。実際パソコンで動作するUNIXを開発 する人が現れました。 フィンランドの大学生で、コンピュータの機能の学習からそのようなプログラムを書き始めていたようです。 そのプログラムはネットワーク上で公開されました。
Linuxのプログラムにおいて、一番特徴的なところは、そのライセンス形式でした。Linuxのプログラムに は、GPLというライセンス形式が採用されていました。 GPLはGNUというプロジェクトが提案した、ソフトウエアのライセンス形式で、次の内容が含まれていることが特徴です。 ●利用・再配布の自由 ●改変の自由 ●改変内容の公開の保証(改変はしていい、しかし、改変した内容は必ず公開すること!) したがって、いろいろなユーザが入手し無償で、かつ、自由に利用可能でした。
Linuxはこの特徴があるために様々な機能を必要に応じて加えることができます。 ライセンス契約が必要なUNIX系OSに比べると、自由度が高いため最近でもコミュニティなどが活発になっています。